ブドウの栽培方法のビオディナミとはどのような栽培方法なのでしょうか?自然派ワイン造りの手法のひとつのビオディナミの秘密について探ってみましょう。

ビオディナミとは?

農薬や化学肥料を使用しない、栽培にこだわったビオロジック(有機栽培)によるワインや、保存料の亜硫酸塩(SO2)の使用を抑えることにこだわった「ヴァン・ナチュール」など自然派ワインが大きな注目を集めていますが、これらをさらに一歩踏み込んだ栽培方法が「ビオディナミ」です。
バイオ・ダイナミックともいわれます。
20世紀初頭に人智学、そしてヴァルドルフ教育法を提唱した、ドイツの哲学博士ルドルフ・シュタイナー氏が提唱した「農業講座」が基礎となっています。
自然派ワイナリーというと、家族経営の小さなワイナリーのイメージがありますが、2000年以降は超一流生産者がこぞってビオディナミを導入し始めています。
フランス ボルドーでは、あのシャトー・ラトゥール、シャトー・ポンテ・カネ、ブルゴーニュでは、ルロワ、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティ(D.R.C.)、リジェ・ベレール、コント・ラフォン、ドメーヌ・ルフレーヴなどが挙げられます。
化学的、人工的なものを排除することだけでなく「自然の力を引き出し、最大化すること」に重きを置いている農法といえます。

ビオディナミは健全な自然のバランスを追求する農法

ビオディナミは、化学物質が生まれる以前の1000年以上に渡って、ヒトが農業を続けてきた経験により裏付けされた知恵による農法です。
例えば、花やハーブ類など近くに植えることで片方が枯れてしまうものがありますが、食べ物でいうところの、食べ合わせの良し悪しにも似ているようなことも含みます。
そんな植物の「組み合わせ」を避けることは、科学的に証明されない頃でも実際を見たヒトによって受け継がれています。
ビオディナミは、自然界に存在するものそれぞれの影響を、植物や家畜の育成に活かすための知恵の集積を体系的にまとめたものになります。
ブドウの根、葉、花、実の成長にそれぞれ影響を及ぼす、土、水、光、熱の4要素を吟味し、これら4要素に密接に関係する天体の位置にしたがって、栽培作業を進めます。
化学肥料の類いは一切使用せず、天然のカルシウム、リン、シリカ、鉄分などを水に溶かして、ブドウの根元に施します。その結果、土中の微生物が活発に働き、窒素量が増えることで、ブドウの葉の色づきが向上し、健康なブドウを得ることができます。
このように、ビオディナミの特長の「天体の運行」による重力の影響と「微生物の働き」など目で見えない自然界の循環が、科学的に説明されるようになりました。

ビオディナミの認証

最近では、手頃なものではスクリューキャップの3,000円台前後のビオディナミのワインを楽しめるようになりました。
そんなビオディナミは、ワインに限った農法ではなく、食品や飲料、化粧品などあらゆる製品に活かされ応用されています。
代表的な認証機関として、1987年にフランス政府が認められた「デメテ―ル」(DEMETER)があります。
規定に則ったビオディナミを実践して7年目以降、ようやく認定されるという厳しい基準が設けられています。