イタリアの自然派ワインはどのように造られているのでしょうか?イタリアの自然派ワインに迫ってみましょう!

イタリアの自然派事情

イタリアオーガニック農法研究所 (Fondazione Italiana per la Ricerca in Agricoltura Biologica e Biodinamica) が行った調査によると、イタリア国内で有機農法によるブドウ栽培を行っている畑は、72,300ヘクタールで、なんと世界全体の22%を占めているそうです。
オーガニックのブドウを栽培しているブドウ農家は約10,000軒で、そしてなんと1,300軒のワイン農家が、オーガニックのイタリアワインを醸造しています!
そして、さらに興味深いのが、イタリアオーガニックの農業協同組合(Associazione Italia per l’Agricoltura Biologica) によると「イタリアでは農薬の使用は必要ない!」とまで言っているそうです。
理由は、イタリアで農薬を使っても使わなくても、1ヘクタールあたりのブドウの生産量は11,100キロで、変わらないからなのだそうです。
フランスの南部、ラングドック=ルーション等でも、農薬を使用しないブドウの栽培がしやすいといった特長がありますが、イタリアの温暖な気候も同様に、自然派ワインを造るのに非常に適している地域なのですね。

有名なイタリアの自然派ワインの生産者

ヨスコ・グラヴナー

イタリアで有名な自然派ワインとして真っ先に思い浮かべられるのがグラヴナーといわれており、イタリアのフリウリを代表する自然派のワイナリーです。
以前は、ステンレスタンクを使用した、ピュアでキレイな白ワインを造っていたということですが、
1980年代に入るとバリック樽を用いた製造に変更します。そのことがきっかけで、高評価を得ることになり、さらに自然な味わいを求めていきます。
1990年代に入ると、バリック樽から木製の大きな醗酵タンクに変更して発酵を行い、大樽で熟成させます。ブドウの栽培もより自然な造りを追及してゆき、日本の自然農法の父である、「福岡正信」を信奉したと言われています!
当初、周囲から好奇の目に晒されますが、ビオロジカルなブドウ栽培へシフトしたそうです。
そして、2001年に大きな変化が訪れます。今まで使用していた、木製の大きな醗酵タンクを廃止して、ブドウの発酵を行う容器をアンフォラへと変更します。
アンフォラとは、古代ギリシャやローマなどの地中海沿岸の地域で広く使われていた貯蔵・運搬用の壺です。2つの持ち手とくびれのある胴体が特徴で、ワイン、オリーブオイル、オリーブ、穀物、などの必需品を貯蔵・運搬するのに用いられていました。
グラヴナーは、このアンフォラで「温度コントロールをせずに」約7ヶ月間の発酵を自然酵母のみで行い、その後、大樽での熟成、瓶内熟成後にワインをリリースします。
酸化防止剤も使用しない自然派ワインで、評論家や自然派のワイナリーから、とても高い評価を得ています。

ラディコン

こちらもグラヴナーと並ぶイタリア自然派ワインの造り手です。
ラディコンもグラヴナーと同じフリウリの生産者で、こういったことからもフリウリは自然派ワインでは非常に有名な産地の一つとなっています。
ラディコンのワイン造りの哲学は「常に大地と環境に最大限の敬意を払った、自然なワインを造ること」
1995年以降、ブドウ畑での化学肥料の使用をやめ、畑への農薬の散布も必要最低限に減らし、消費者の健康に有害でないと保証のできる製品のみを使用しています。
さらにブドウを間引くことで、ブドウの収量を1ヘクタールあたり5トン以下に抑え、完熟したブドウ使用します。白ブドウに長期間のマセレーションを行い、長期間の樽熟成とビン熟成をしたのち、リリースされます。酸化防止剤も無添加です。
このように、ラディコンの代名詞といえる存在が、赤ワインのような複雑性を持つ「オレンジワイン」です。
1970年代まで当たり前のように行なわれていた、白ブドウの果皮も一緒に醸造する事で、 赤ワインのようなボディと複雑性がありながら、白ワインの飲み心地の良さを備えたラディコン独自のスタイルを創り上げていったのです。