自然派ワインの輸入が始まった頃、お手本とされてきたのはフランスの自然派ということで、興味津々なフランスの自然派ワインについて迫ってみましょう。

フランスの自然派ワイン=自由なワイン哲学に触れること

自然派ワインの楽しみ方のひとつに、生産者の背景を知ると、さらに面白くなるといわれています。
自然派ワインの生産者はみんな「マス」という大多数に対して戦っているそうです。
大資本やマニュアルと言い換えてもいいのですが、多くを持たない者たちが知恵を絞ってワインをつくっています。毎年、同じ味のボトルが大量に出荷されるような「ブランド品」とは違い、多くの自然派ワインには生産者の哲学が投影されています。
「インディペンデントな音楽を楽しむのと同じような感覚」といわれるとなるほどな・・・と思えますが、それと同時にどのような姿勢で造られたワインなのか、想いを馳せることでワインにも向き合えます。
彼らの活動を素直に応援する気持ちで、ワインをいただくのも楽しいものです。

NEdjMA/Gilles Azzoni

醸造家に「普段どんなワインを飲むの?」と聞くと、よく名前が上がるというそのひとつはジル・アッゾーニ氏のワイン。
自然派ワインの鏡のような上品な出来でありながらも「お高く留まらず」低価格なところも魅力。
ここ数年は品質も安定してきて非常におすすめのワインです。
“NEdjMA”とはイスラム語で“星”の意味で、フランスではイスラム系住民との衝突が社会問題となる中で、あえてこの名を付ける姿勢が人柄を表すようですね。

BRUYERE sur la ROCHE NOIRE/Philippe jambon

2010年収穫の赤ワインに、2005年収穫の甘口白ワインを合わせるという、ワインの常識では考えられないクレイジーな1本で、酸化防止剤は不使用です。
フィリップ ジャンボン氏の考え方によると「満月のたびワインにエネルギーが満たされる」のだとか。
彼は満月を待ち、完全にエネルギーが満ちたと感じると瓶詰めするそうです。
森のような植物的な香りと、蜜のような風味。そして、締め付けられるような後味が続く、素晴らしい味わいです。

Sweet beginning of a better end/Jean Marc Brignot et Anders Frederik Steen

ジャン・マルク氏はフランスから佐渡島へ移住し、佐渡初の自然派ワイン作りに挑戦中という一風変わった経歴の持ち主です。
彼の信念で「科学的な物質は絶対に使わず、ブドウを種から育てるところから始める」ため、佐渡初のワインは未完成です。このワインは、信頼できる農家からブドウを買い取り、友人の醸造所を借りて昨秋にフランスで作ったもので、滲みでる旨味と優しい余韻で、ストレスなく飲むことができます。