自然派と呼ばれるワインはだいたいいつ頃から流通し始めたのでしょうか?またどのような経緯をたどって今に至ったか、おおまかな流れとともに自然派ワインの歴史について見ていきましょう。

「自然派ワイン」の歴史

日本に自然派ワインが入ってきた頃は、最初にワインブームが起きた後の2000年以降といわれています。
その時都心部では、自然派ワインを管理する上での注意点「温度管理」と「デカンタージュ」がきちんとできていなかったため、ブームに最初に飛びついたワイン愛好家の人たちがまずひどい目にあわされました。美味しくないワインを、そういうものだ、そういうものにこそ価値があると刷り込むような、間違った情報を伝える人も中には居たようでした。
また、ワイン通であることを自他ともに認めて鼻高々だと、正直な感想をなかなか述べることもできず、結果そのことが解消されないままきてしまい「自然派ワインは苦手」とのたまうワイン上級者の方も多いと聞きます。
自然派ワインが流行の波に乗り始めた時は、そんな風にワインの品質にばらつきがあり、正しい情報もそれほどなかったような状況だったということかもしれませんね。

「自然派ワイン」と日本の誤認証システム!?

自然派ワイン、有機ワイン、オーガニックワイン、ビオワインとはよく耳にします。
何がどう違うのでしょうか?ホントややこしいし紛らわしいですね・・・。
これらを分類するための明確な指標となる「認証システム」が実は日本には未だないのです。
そのため、ややこしく紛らわしいことは全て「自然派ワイン」とあてはめられたということもできます。
また、2003年頃の時点ではまだ「自然派ワイン」という言葉はそんなに耳にしませんでした。
その後、日本の市場のマーケティング戦略で「ビオワイン」という名前の響きと、浸透が早かったため、販売上非常に使い勝手がよかったということもあって「ビオ」と「自然派」が一気に広まったといえそうです。それがここ最近の10年くらいの動きでした。

「酸化防止剤無添加ワイン」

一方、基準が曖昧な状況で、TV番組などメディアの影響もあって、日本人の健康意識と農薬の使用に敏感になっている心象をつくように、爆発的に売れたワインがあります。
それが1990年代から続く日本のヒット商品「酸化防止剤無添加ワイン」ですね。
これらが全ての意味を含んで語られるようになってしまいました。
あたかも、酸化防止剤が悪いといわんばかりですね。
もはやこの現実は取り返しのつかない状況であると危惧しているのが、日本の老舗生産者さんらです。
例えば日本の「ヴァン・ナチュール」生産者の、小布施ワイナリー曽我彰彦さんはそれまで「自然派ワイン」という言葉を自社のワインに使用していましたが、解釈の乱用に嫌気がさして最近は「自然なワイン」または「化学のないワイン」という表現に変えられました。

「自然派ワイン」≠「ヴァン・ナチュール」

上述のように2005年くらいから「ヴァン・ナチュール」が盛んに宣伝されるようになり、それらのワインが日本にも輸入され始めた頃に「その日本語訳として」自然派ワインという言葉が使われ出したのだと思います。適切な表現で語り合うことがなく違った方向に定着したところに、もどかしさを感じます。

「自然派ワイン」は用途に合わせて消費者が選ぶ時代に

しかし現在はそういった状況や、メリット・デメリットについて周知されつつあり、少なくとも正直な生産者と(正直なインポーターから)ワインを買うことができれば、歴史を繰り返さずまた神経質にもならず済むようになりました。
また、ワインに割けるスペースやリソースもレストランである程度行き届いてきたので、管理が整ったお店でワインが飲めることも当たり前になってきました。
状況も変化し始めてそろそろまた一度試してみたら、新たな発見があるかもしれませんね。